県内作家3人の現代アート展/「CHAMPURU」カナダで開催 墨、漆、埋葬習慣・・・表現に独特の要素<2005年7月6日> 朝刊 文化(水曜日) 文化担当記者
カナダの太平洋岸の都市バンクーバーで、六月四日から二十五日まで、沖縄で活躍する伊江隆人さん、前田比呂也さん、花城郁子さんの三人の作家による現代アート展「CHAMPURU」が開催された。三人の作品は、いずれも周囲の空間とともに構成、表現したインスタレーション。墨、漆、埋葬習慣など独特の要素を取り入れた展示会には、当地在住の県人を含む大勢の人たちが訪れた。同展を企画したのはセンターA(バンクーバー国際アジア現代美術センター)館長のハンク・ブルさん。同センターは二000年にオープン、これまでに日本をはじめ中国、フィリピン、インドなどアジア各国のアーティストの展示会を開催している。
ブルさんは沖縄サミット(二000年)の祭に来沖。その後、基地問題や伝統工芸とは異なる要素を持った沖縄の作家による展示会を開きたいと考え、伊江さんら三人に出展を要請した。タイトルは、太平洋を挟んでバンクーバーも沖縄もさまざまな文化が混在していることから、ブルさんがウチナー口で「混ざり合った」という意味の「チャンプルー」(CHAMPURU)とした。三人は展示準備などのため五月末から六月上旬にかけて当地を訪問した。六月三日のレセプションでは伊江さんがワークショップ実施。大勢の観衆の見守る中、長さ六?、幅三?の巨大な布に、沖縄から持参したアダンの根を当地の石でほぐして作った筆で墨書きした。観衆も制作に参加、文字を書き込んだ。
伊江さんの展示作品は、新聞紙、古布、石灰岩などが素材。沖縄の新聞の上に琉歌や象形文字を墨色も鮮やかに記し、現代の言葉(新聞記事)と古文が重なり合うように表現するのが特徴。
前田さんの作品は漆を素材とするのが特徴。壁面にはサンゴと漆を使った作品が、床面には漆の黒盆が規則的に並ぶ。どんな物にも塗れる可能性のあるものとして漆を使っている。
蚊帳をつり下げ、沖縄の墓をイメージした作品を出展したのは花城さん。蚊帳の中には人生を振り返る物を入れたトレーが並び、蚊帳の前にはいくつもの小舟が置かれている。
六月四日には三人の制作活動を報告したシンポジウム、バンクーバー沖縄県人会による昼食会も開かれた。
あ〜とらんだむ ぎんねこ